ケーブルクレーン

ケーブルクレーンは 、別名キャリアともいい線路下の林地保全の確保及び荷の上げ降ろしのできる構造から,最近急速に普及してきた。一本の軌索を架設してこれにキャレージ(走行車,吊上車付搬器)をかけて巻上索で輸送物を動力ウインチにより任意の場所から巻上げ 、巻降ろしを行って横行索により空中を輸送する方式である。

この方式には,索張りの方法によって多種のものがあるが現在送電線建設工事現場に普及している代表的なものにエンドレスタイラ方式ダブルエンドレス方式のニ種がある。これらのニ種に共通する最近の実績では 、いずれも中間支柱通過方式が採用されるようになった。そして,荷物の重量化にともない荷橋場及び荷卸場の荷役作業が便利であるため、ケーブルクレーン方式を実施することが多くなっている。

(1)エンドレスタイラ方式

 エンドレスタイラ方式は、図に示すように,巻上索の一端を上部荷卸場付近に固定し,他端をキャレージに吊り下げられたキャレージブロックと自由に上下に動く重錘付ロージンダブロックに通して下部荷積場付近に設置してある動力ウインチの巻胴に巻付ける。

この巻胴を駆動して荷物の巻上げ巻降ろしを行う。キャレージの走行は横行索で行い,ウインチのエンドレスドラムを正転・逆転させて,一往復で荷物を一回運搬する。

(2)ダブルエンドレス方式

ダブルエンドレス方式は図に示すように,キャレージに内蔵するドラムに輸送物を上げ下げする巻上索(荷上索)が巻かれていて,この巻上索を騒動するエンドレス索と横行索の・2本のエンドレス索だけで作業ができる。

下部荷積場付近に横行用エンドレスドラム及び巻上用エンドレスドラムを騒動するウインチを設置し,上部荷卸壕には各エンドレス索用金車を設置する。キャレージを横行させる時は,横行索と巻上用エンドレス索を同じ速さで動かして横行中の輸送物の上下動を防止する。

輸送能力はエンドレスタイラ方式と変わらないが,巻上索の騒動により上げ降ろしができるためロージングブロックに重鐘などを付加する必要がない。

また,軽いものを,荷卸場で降ろす時巻上索が下降しにくいなどの欠点がないので多く使用されるようになった。